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患者様のお悩み

私は汗っかきで、特に脇汗がやばいです。
夏は本当にやばいのですが、夏だけじゃなく冬でも季節を問わず、特に脇に汗をかきます。
グレーのTシャツなんかはやばすぎてとてもじゃないですが着れません。
社会人になって、これはさすがにやばいと思い、思い立ち美容外科の門を初めてたたきました。
「脇汗が完全に止まる」といううたい文句に惹かれ、即日手術を受けました。

これで脇汗の悩みから解放される!と喜んでいた矢先なのですが、まだ汗は出ます・・・
イメージとしてはサラサラの脇!という感じでいたのですが、とてもとてもそんな状態ではありません。
失敗されたのかと思います。
ですが、、、どうしても再手術をする気にはなれず困っています。
やはり、手術をしたのにサラサラの脇になっていないというのは失敗ということでしょうか?

ワキの汗を抑える手術を受けました。
いつもは脇にボトックスをしていましたが、クリニックに行くと、カウンセラーのお姉さんに手術をすれば半永久的に汗が出なくなると言われました。
定期的にボトックスを打つのは面倒だし、妊娠すると打てませんよとも言われて、今のうちに手術しておこうと決めました。
そして、夏場を避けて長袖シーズンが到来したので手術をしたのですが、今は特に暑いという季節ではないのにまだ汗は出ます・・・
こんなことならボトックスの方が効果があったのでは?とも思ってしまいますが、最初に勧めてきたカウンセラーの方とはその後会えずじまいで聞くこともできません。
同じように手術をしたのに汗が止まらないという方いますか?
今回の記事では、ワキガの手術を受けたにも関わらず、脇汗の改善がされていないように感じるという方々からのお悩みにスポットを当てて解説していきたいと思います。
脇の汗を改善する方法としては、ボトックス注射ワキガ手術があります。
手術を行ったのにも関わらず、期待する効果に至らなかった原因として二つの要因が考えられます。
一つは医師の説明不足。もう一つは手術が的確に行われていない事が考えられます。

医師の説明不足
医師は手術の効果として『脇の汗が100%出なくなるわけではない』という事を患者様にご理解していいただく必要があります。
手術の効果としては術前の汗の量が50%減る位です。脇の汗を全くかかない人はいません。脇の汗の量が50%減るという事は、普通の方以下になるという事になるので、通常はご満足いく結果となるかと思います。
しかし、そのような説明が術前にされていない場合、患者様の不満に繋がる可能性が考えられます。
手術が的確に行われていない
手術の際に的確に汗腺が除去されていない場合、汗の量は軽減せず効果が出ていないという事になります。

以下に、上記内容を脇の構造・仕組みの話を交え詳しく説明していきます。

多汗症について

わきがと多汗症の仕組み

脇
脇の毛が生える部分には、アポクリン腺と呼ばれる汗腺と、エクリン腺と呼ばれる汗腺があります。

アポクリン腺とよばれる汗腺は、そこから分泌される成分が雑菌と混じることで「ワキガ」と呼ばれる独特なツンとしたにおいを発します。
すべての方がにおいを発するわけではなく、特にアポクリン腺の量が多い方が「ワキガ」であると言われています。
アポクリン腺は毛穴とくっついているため、分泌液は毛穴を通して分泌されます。
エクリン腺と呼ばれる汗腺は、汗を分泌します。
誰もが持っている汗腺で、皮膚とつながっており直接皮膚から汗を分泌します。エクリン腺の量が多い方は「多汗症」の傾向にあるでしょう。

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アポクリン腺はほとんどが脂肪層という深い層にありますが、エクリン腺は皮膚の深層である真皮層にあります。

わきが、多汗症の手術方法

簡単に手術方法をご説明いたします。
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脇の下のシワに合わせて切開します。切開した部分の皮膚を剥離し、反転させ直視下にアポクリン腺とエクリン腺を取り除いていきます。
取り除いた後は、皮膚を縫合して、最後に固定のために包帯を巻いて手術終了となります。

皮膚の構造とエクリン腺の位置関係について

皮膚には「表皮層」「真皮層」という2つの層があります。

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皮膚【表皮層・真皮層】の下には脂肪があります。
表皮層は約28日で生まれ変わり、新しい皮膚がどんどん生まれては入れ替わっていきます。これをターンオーバーと呼びます。
真皮層はほとんど生まれ変わることがない為、再生することもほとんどありません。

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真皮層はほとんど生まれ変わることがないため、一度でも大きなダメージが加わると傷がなかなか回復しません。そのため、真皮に大きいダメ―ジを加えないように細心の注意を払い手術をする必要があります。

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ワキガの原因であるアポクリン腺は、脂肪層に多くあるためダメージが加わっても皮膚に影響はほとんどありません。
では、多汗症の原因であるエクリン腺はどうでしょうか?エクリン腺はそのほとんどが真皮層にあります。

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そのため、完全に取り除こうとすると、ダメージが多くなり傷も多くなってしまうのです。

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ワキガや多汗症の手術は、汗腺のある範囲を剥離し、そこにある汗腺を取り除く事でお悩みを改善します。上記の説明を踏まえると、汗腺を取り除いた箇所の皮膚にダメージが多く加えられると、黒ずみになります。
意図的にたくさんのエクリン腺を取り除く事も出来ますが、ほぼ全てのエクリン腺を取り除く事で回復しえない傷や跡や黒ずみの原因となってしまうのです。

技術のある医師は極力ダメージを残さないよう、かつ、気になる汗は改善できるよう、両方のギリギリのところを見極めて手術を行います。

汗が完全になくならないというお悩みに対する見解

構造上すべてのエクリン腺を取り除くことは難しい

上記で述べたように、汗の原因であるエクリン腺は皮膚の真皮層に存在しており、多くのダメージが加わると、傷跡が残ってしまい回復するのにとても長い時間を要します。
ワキガの原因であるアポクリン腺の場合は、ダメージを加えても見た目に影響がない部分にあるため、しっかりと取り除いてしまっても問題はありませんが、エクリン腺はそうはいきません。

きちんと腕のある医師であれば、【患者様が術前よりほとんど汗を気にしなくてもいい状態】にまでは改善することができるかと思います。
においについては術前の80%近く、汗については50%以上減らせると思います。
ここで『100%無くす事は出来ないのですか?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、エクリン腺は誰もが持っている汗腺です。多汗症であるか、そうでないかの違いはエクリン腺のが関係しており、普通に汗を気にせず生活している方でもエクリン腺が全くない方はいません。
50%のエクリン腺を取り除き、普通の方よりも数が少なくなる事で、術前よりもはるかに生活しやすくなるはずです。

術前のカウンセリングの重要性

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術後に「汗が完全になくならなかった」と不満を持たれる方の一部は【思い違い】であることも少なくありません。
そもそも、この手術で汗を完全に止めることはできないからです。
もし「汗が完全になくなる」と説明を受けたのであれば、それはクリニック側が利益を優先した過剰な言い回しであるように感じます。

【汗を完全に出なくする】のではなく【術前より汗の量を減らし、普通の人か普通の人よりも汗を出にくい状態にする】のがこの手術です。
クリニック側が誤解を招く表現で手術を勧める事は感心できませんが、患者様自身も事前にしっかりと確認をされることをお勧めしたいと思います。

医師の技術不足

これまでご説明してきたように、多汗症を改善する手術では、エクリン腺をどれだけ取り除く事が出来るかが大きなポイントになります。
傷を残さないように控えめにエクリン腺を除去してしまうと、術後汗の量がほとんど変わらない可能性もあり、患者様の満足度が低くなってしまいます。
逆に、エクリン腺を過度に取り除きすぎてしまうと、真皮を欠損させてしまいます。
慣れない医師が手術を行った場合、このような事が起きる可能性が高く、どちらにしても患者様の不満につながってしまうのです。

お悩みの汗は50%以上は減らしながら、皮膚のダメージを最小限に抑えることができる技術を持った医師の元で手術を受ける事が一番安心でしょう。

術後失敗したと思わないためのアドバイス

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多汗症の手術を受けた後、汗が完全に止まらなく『失敗だったのでは?』と心配しなくて済むよう、ポイントをまとめていきましょう。

ポイントその①
ワキガ、多汗症の手術は、汗を100%抑えるというものではない
術前に比べると、はるかに汗の量は減りますし、通常の方以上に汗が出にくくなるという効果はあります。しかしそれは、汗を100%止めて、全く汗のかかない状態になるというわけではありません。
そのような効果を期待して手術をされた方にとっては、不満が残ってしまう可能性もあります。100%抑えるためには、皮膚が欠損してしまうという大きなリスクがありますので、こちらも併せてご理解していて頂くとよいかと思います。

ポイントその②
聞こえの良い広告や謳い文句にまどわされないようにする
よく広告などでは『汗も完全除去』などの宣伝があったり、実際にカウンセリングでそのような説明をうけることもあるようです。
しかし、実際この多汗症の手術にはそのような効果はありません。売上重視のクリニックなどでは特に、大げさな表現を使い誘導することもあるようですので気を付けて頂くとよいでしょう。

ポイントその③
医師の技術に左右されるため、クリニック選びは慎重に
汗を抑えるためには、エクリン腺という汗腺をいかに多く取り除くかが重要になります。それと共に皮膚を欠損しないギリギリのラインで取り除かなくてはなりません。
経験の少ない医師による手術の場合、エクリン腺がきちんと取り除かれていないことや、とりすぎにより皮膚に大きなダメージが加わってしまっているということが起こりやすくなります。
事前にしっかりとカウンセリングを受け、納得されたうえで手術を受けるようにしましょう。

以上のポイントを頭に入れ、心配や後悔のないよう多汗症の手術に臨まれることをお勧めいたします。

2016.12.22

わきが・多汗症